※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。
※このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

【英検®︎】2024年度から問題形式が変わる!

 

2023年7月6日、実用英語技能検定(以下、「英検®︎」)を運営する公益財団法人 日本英語検定協会は、2024年度より英検®︎の試験内容をリニューアルすると発表しました。

2024年度第1回検定からリニューアル予定とされています。

つまり、今年の6月から新形式に変わるということです。

対象は3級以上の級(1級、準1級、2級、準2級、3級)となっており、試験問題の一部に新形式で出題される問題が加えられます。

・どの分野がリニューアルされるのか

・試験時間や出題形式も変更されるのか

・級ごとの変更点はどこか

今日は、これらを含め、リニューアルされる英検®︎の変更点や対策法などをご紹介します。

なお、日本英語検定協会のHPに、

「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル 特設サイト」

が作られていますので、そちらも併せて見ていただけたらと思います。

 

なぜ英検®︎はリニューアルされるのか?

 

そもそも、なぜ英検®︎はリニューアルされることになったのでしょうか。

その背景には「学習指導要領」の改訂があります。

学習指導要領とは、

「全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにする」

ため、文部科学省が学校教育法等に基づいて定めた基準のことです。

全国どこの学校でも一定の教育水準が保てるように、教科書や時間割は学習指導要領に基づいて作られており、約10年に1度のペースで改訂されます。

英検®︎は学習指導要領に沿った出題を目指しているため、その内容に合わせてリニューアルすることになりました。

中学校を例に取りますと、現在、中学校学習指導要領の外国語の項目には、次のような目標が記載されています。

(文部科学省HPより引用)

外国語によるコミュニケーションにおける見方・考え方を働かせ,外国語による聞くこと,読むこと,話すこと,書くことの言語活動を通して,簡単な情報や考えなどを理解したり表現したり伝え合ったりするコミュニケーションを図る資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

 

学習指導要領では、

「英語でコミュニケーションを図る力」

を育成することが重視されています。

英検®︎もこれに合わせて、

「コミュニケーションをとるために必要な英語力」

を問われるものに変わるということです。

 

2024年度からの各級の変更点

 

1級の変更点

 

【試験時間】変更なし(100分)

【ライティング】英作文問題が1題から2題に増加

ライティングにおいては、英作文問題の出題が1題から2題に変更されました。

既存の「意見論述」に加え、「要約問題」が出題されます。

追加される要約問題は、「内容」「構成」「語彙」「文法」の4つの観点で採点されます。

要約問題については、

「何を伝えている文章なのか、全体を把握する力」

「段落ごとの主要ポイントを読み取る力」

が求められます。

1級ライティング要約問題の出題例 / 解答例 / 評価観点

(「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル 特設サイト」より)

1級のサンプル問題では、310ワードの長さの英文を読み、90〜110語で要約する、というものでした。内容は、社会性の高いものが出題されているので、それらの背景知識があると要約しやすいと感じました。

【リーディング】トータル41問から35問へ減少

リーディングにおける変更点は「語彙問題」「長文問題」の設問数が一部削減されることです。

これまでの41問から35問への減少で、具体的な内訳は次の2点です。

大問1:短文の語句空所補充→3問削除(語彙問題)

大問3:長文の内容一致選択→3問削除(設問No.32~34)

【リスニング 】変更なし

【スピーキング】変更なし

 

準1級の変更点

 

【試験時間】変更なし(90分)

【ライティング】英作文問題が1題から2題に増加

ライティングにおいては、英作文問題の出題が1題から2題に変更されました。

1級同様、既存の「意見論述」に加え、「要約問題」が出題されます(採点される観点4つも1級と同様)。

準1級ライティング要約問題の出題例 / 解答例 / 評価観点

(「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル 特設サイト」より)

準1級のサンプルの要約問題は、188語の英文を読み、60-75語でまとめるものでした。

内容をおよそ1/3程度にする必要があります。

【リーディング】トータル41問から31問へ減少

リーディングにおける変更点は「語彙問題」「長文問題」の設問数が一部削減されることです。

これまでの41問から31問への減少で、具体的な内訳は次の2点です。

大問1:短文の語句空所補充→7問削除(語彙問題)

大問3:長文の内容一致選択→3問削除(設問No.32~34)

【リスニング 】変更なし

【スピーキング】 受験者自身の意見を問う質問に「話題導入文」を追加

準1級二次試験では、受験者自身の意見を問う質問に「話題導入文の追加」が加わります。

話題導入文とは、質問となる文章の前にくる、

「前提となる説明文」

のこと。

たとえば、

「こういう議論がよくされてるけど、あなたは〜についてどう思う?」

といった感じです。

この聞かれ方だと、答えの方向性がわかりやすくなっているので、これまでの質問のされ方よりも親切になるということですね。

 

2級の変更点

 

【試験時間】変更なし(85分)

【ライティング】英作文問題が1題から2題に増加

ライティングにおいては、英作文問題の出題が1題から2題に変更されまます。

1級・準1級同様、既存の「意見論述」に加え、「要約問題」が出題されます(採点される観点4つも1級・準1級と同様)。

2級ライティング要約問題の出題例 / 解答例 / 評価観点

(「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル 特設サイト」より)

サンプル問題では、154語の英文を読み、45〜55語にまとめるものでした。

他の級同様、およそ1/3程度にする必要があります。

 

【リーディング】トータル41問から31問へ減少

リーディングにおける変更点は「語彙問題」「長文問題」の設問数が一部削減されることです。

これまでの38問から31問への減少で、具体的な内訳は次の2点です。

大問1:短文の語句空所補充→3問削除(語彙問題)

大問3B:長文の内容一致選択→4問削除(設問No.30~33)

【リスニング 】変更なし

【スピーキング】変更なし

 

準2級の変更点

 

【試験時間】75分→80分に延長

【ライティング】 英作文問題が1題から2題に増加

既存の「意見論述」の出題に加えて準2級・3級はEメール問題が追加されます。

Eメール問題では、「内容」「語彙」「文法」の3つの観点で採点されます。

問題に書かれているEメールの話題を捉え、相手の質問などにきちんと答えて、返信としてふさわしい内容の英文を作成することがポイントになります。

準2級ライティング要約問題の出題例 / 解答例 / 評価観点

(「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル 特設サイト」より)

サンプル問題では、1つの質問があり、1つの質問に答える。

さらに下線部に対して2つの質問がなされる内容でした。

語数の指定は、40〜50語です。

 

【リーディング】トータル41問から31問へ減少

リーディングにおける変更点は「語彙問題」「長文問題」の設問数が一部削減されることです。

これまでの37問から29問への減少で、具体的な内訳は次の2点です。

大問1:短文の語句空所補充→5問削除(熟語・文法問題)

大問3B:長文の内容一致選択→3問削除(設問No.28~30)

【リスニング 】変更なし

【スピーキング】変更なし

 

3級の変更点

 

【試験時間】50分→65分に延長

【ライティング】英作文問題が1題から2題に増加

準2級同様、既存の「意見論述」の出題に加えてEメール問題が追加されます。

3級ライティング要約問題の出題例 / 解答例 / 評価観点

(「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル 特設サイト」より)

サンプル問題では、2つの質問に対して答えるという内容でした。

語数の指定は、15〜25語です。

【リーディング】変更なし

【リスニング 】変更なし

【スピーキング】変更なし

 

変更点まとめ

 

現時点で公表されている英検®の変更点をまとめました。

総じて見てみると、問題数が減り時間も短縮されますが、ライティング以外の出題内容や形式に変更はありません。

特に変わるのがライティング問題になるので、受験予定の方は、これからライティング対策に力を入れていく必要があります。

今後も最新情報が公開される可能性があるため、日本英語検定協会のHPをこまめにチェックするようにしてください。

 

変更点への対策

 

大きな変更はライティングについてということがわかりました。

では、要約問題・Eメール問題について、どう対策すればいいか?ということをまとめていきます。

 

ライティング要約問題の対策(1級・準1級・2級)

 

1 指示の内容を理解する

要約問題については、次のように指示があります。

1級と準1級は英語で、2級は日本語で設問が記載されています。

(「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル 特設サイト」より)

 

【1級】

Instructions: Read the article below and summarize it in your own words as far as possible in English.
(指示:以下の記事を読み、できるだけ自分の言葉で英語で要約しなさい)

※実際には日本語での記載はありません。

Suggested length: 90-110 words.

(推奨される長さ:90~110語)

Write your summary in the space provided on your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.

(解答用紙の空欄に要約を記入しなさい。欄外に書いたものは採点されません)

 

【準1級】

Instructions: Read the article below and summarize it in your own words as far as possible in English.

(指示:以下の記事を読み、できるだけ自分の言葉で英語で要約しなさい)

※実際には日本語での記載はありません。

Suggested length: 60-70 words.

(推奨される長さ:60~70語)

Write your summary in the space provided on your answer sheet. Any writing outside the space will not be graded.

(解答用紙の空欄に要約を記入しなさい。欄外に書いたものは採点されません))

 

【2級】

以下の英文を読んで、その内容を英語で要約し、解答欄に記入しなさい。

語数の目安は45語~55語です。

解答欄の外に書かれたものは採点されません。

解答が英文の要約になっていないと判断された場合は、0点と採点されることがあります。

英文をよく読んでから答えてください。

 

2 筆者の主張ポイントをつかむ

筆者が一番伝えたいメッセージは何なのかを、文章を読みながら特定していきます。

筆者の主張をメインに要約の文章を作成します。

最初の段落を読んだだけでは特定できない場合が多いので、最初から最後まで読み、ポイントをつかむ必要があります。

 

3 パラフレーズする力を鍛える

パラフレーズ(Paraphrase)とは、他の言葉で言い換えることです。

要約問題では、本文の内容をそのまま書き写すのではなく、自分の言葉に言い換えて答える必要があります。

たとえば、

I would like to make a reservation at this restaurant.

(このレストランを予約したいのですが)

→I want to book a table at this restaurant.

のように言い換えることができます。

このように、同じことであっても表現を変えて英作文をする訓練をしていきましょう。

 

Eメール問題の対策(準2級・3級)

 

1 指示の内容を理解する

 

1級・準1級同様、指示の内容を理解することが大前提になります。

Eメール問題は準2級・3級ともに、指示は日本語で記載されています。

 

【準2級】

指示の内容を要約すると次のようになります。

(日本語で書かれています)

・受け取ったEメールに書かれている質問に答える。

・Eメール文中の下線部に対する質問を2つする。

・語数の目安は40~50語。

 

【3級】

・受け取ったEメールに書かれている2つの質問に答える。

・内容は自由に考えてよい。

・語数の目安は15~25語。

 

準2級・3級に共通する指示

・解答欄の外に書かれたものは採点されません。

・記載した解答が、受け取ったEメールに対応していないと判断された場合は、0点と採点される可能性あります。

 

1 書き出しにあいさつや感想を入れる

 

Eメールでのやり取りですので、いきなり質問をする、答えるのではなく、最初にあいさつや感想のような前置きを入れるといいです。

日本語でも、メールのやり取りでは、たとえばビジネス文書であれば、

「平素より大変お世話になっております」

など、あいさつの言葉を必ず入れますよね。

 

同じように、Eメールが相手の近況報告であれば、

・I’m happy to hear that~.(~を聞いて嬉しい)

・I’m surprised that ~.(~を聞いて驚いた)

などの感想を入れて書き出すと、自然な流れが作れます。

 

2 答えなければいけないことに全て答える

 

問われている問題を確認し、全てに答えます。

これは指示にそのように書かれているので、極めて当たり前のことなのですが、焦って問題をよく読まずに書き始めると、そのようにできなくなることがあります。

2つ質問を書かなければならないのに1つしか書かなかった。

2つ質問があるのに、1つしか答えを書かなかった。

など、終わってから気づいたりすることがあるからです。

(過去、学校のテストでそういうことは私はよくありました 涙)

 

Eメール問題は「内容」「語彙」「文法」の3つの観点で採点されるため、まさに、

・問題に書かれているEメールの話題を捉え

・相手の質問などにきちんと答えて

・返信としてふさわしい内容の英文を作成する

ことが求められます。

 

話題導入文の対策(準1級)

 

大きな変更はライティングとお伝えしてきましたが、準1級のみ、二次試験のスピーキングに変更点があります。

スピーキングの後になされる最後の質問(No.4)に、話題導入文が追加されます。

「話題導入文とは何か?」

ということですが、サンプル問題には次のように記載があります。

準1級出題例

(「2024年度 実用英語技能検定(英検)問題形式リニューアル 特設サイト」より)

The wealth gap between rich countries and poor countries often becomes a topic for discussion.

(豊かな国と貧しい国の貧富の差が、しばしば議論の話題になります)

※実際には日本語での記載はありません。

Should rich countries do more to help poor countries develop?

(豊かな国は貧しい国の発展のためにもっと支援するでしょうか)

出典:日本英語検定協会|出題例

上記の下線部分が話題導入文です。

今までは下線部分の言葉はなく、突然社会的な問題が質問されていました。

今回のリニューアルで、

「質問の前提となる情報が加わる」

ようになります。

これが「話題導入文」ですが、答えることは変わらないので、それほど心配することはないと思います。

逆に、話題導入文が加わることで、質問の意味を理解しやすくなります。

 

 

いかがでしたでしょうか?

少しでもご参考になれば幸いです。

ここまでお読みくださりありがとうございます😊

 

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