聞き流すだけで英語が話せるようになる?

 

「英語を聞き流すだけで英語が話せるようになる」

このように謳っている学習教材はいくつもあります。

私も過去、聞き流すだけでできるようになるなら…と憧れたことはありました。

だって、それで話せるようになるなら楽ですからw

 

でも実際は、英語を聞き流すだけで英語が話せるようになるようなことはありません。

しっかり現実的に考えていく必要がありますが、しょんぼりされなくて大丈夫です^^

ここでは、英語の聞き流しに効果がない理由と、英語の聞き流しに代わる勉強方法を見ていきます。

 

英語の聞き流しとは、その名のごとく、英語の音声を聞き流す勉強方法のことです。

具体的には、通勤中に英語の音声を聞いたり、自宅で他の作業をしている時にBGMとして英語の音声を流したりすることです。

今は終了してしまいましたが、某ゴルフ選手がCMに出演していた「スピードラーニング」という教材が注目を集めていましたが、これも聞き流しの英語教材の1つです。

でも、効果がないということが実証されてしまい、今はサービス終了となってしまったようです。

 

英語の音声を集中して聞き取ろうとする勉強方法は、多聴や精聴と呼ばれます。

そしてこれらは、聞き流しとは区別して考える必要があります。

英語の聞き流しは、あくまで意識は他のところにありながら、英語を聞いている状態で行われる勉強法です。

ですから、多聴や精聴とはそもそも根本的に異なるのです。

 

英語の聞き流しに効果が期待できない理由

英語の聞き流しは、日本人の英語話者や言語学者の間でも「効果が期待できない勉強方法」と言われています。

英語の聞き流しは効果が期待できないと言われている理由には、次のようなものがあります。

・精聴できていない

・語彙力や文法力が不足している

・発話をする機会がない

 

1 精聴できていない

英語の聞き流しはあくまで「聞き流し」なので、英語を「精聴」しているわけではありません。

英語を聞くことだけに集中すれば、どこが聞き取れてどこが聞きてれていないのかが明確になります。

そして聞き取れていないところの意味を調べたり、繰り返し聞いたり、速度を変えて聞いてみたりすることで、英語の聞き取り力は上がっていきます。

でも聞き流しでは、意識は別のところにあるので、上のような学習スタイルにはなりません。

その英語が聞き取れているのか聞き取れていないのかすら判断することがないまま、次から次へと英語を聞いていきます。

「英語が聞こえる環境」に慣れることはできても、英語を聞き取る力が上がることは、残念ながらありません。

(つまり、ここで楽してサボってはいけないということ…)

 

2 語彙力や文法力が不足している

語彙力や文法力が不足している状態で英語の聞き流しをしても、効果はありません。

なぜなら知らない単語や文法は、いくら英語を聞いたところで理解できないからです。

例えば、私は韓国語を学んだことはないのですが、これから毎日韓国語の音声をひたすら聞き流したとして、理解できるようになるでしょうか?

答えはNoです。

基礎的な単語や文法について知らないため、いくら聞き流しても理解は進まず、いつまでたっても平行線のままです。

知っている単語の中に1語しか知らない単語がない、という状況であれば、文章からある程度意味を推測できます。

でも何も分からなければ、当然推測することはできません、

これから英語学習を始めるだったり、英語が苦手、という方は、聞き流しではなく、基礎的な学習から始めることが必須です。

これはどの言語を学ぶにあたっても、どの学習者や先生に尋ねても、答えは同じです。

基本的な単語と文法の知識は必要です。

聞き流しなどのリスニング学習が成り立つのは、聞いている音声の8割程度を聞き取れるようになってからになります。

 

3 発話をする機会が一切ない

英語に限らず、語学学習ではインプットとアウトプットの両立が大切です。

例えば英語を初めて勉強する方が、いきなりオンライン英会話などに参加しても、英語で会話をすることはできません。

上に書いたように、基本的な知識(単語と文法)、つまり英語のインプットが足りないからです。

英語学習はインプットとアウトプットに分けられます。

英語を勉強する際は、特にスピーキングもできるようになりたいということであればなお、インプットとアウトプットをバランスよくやっていく必要があります。

どちらかに比重が寄りすぎないようにしなければなりません。

英語の聞き流しは、行為としてはインプットになるので、英語を聞いているだけで英語が話せるようになることはありません。

英語が聞けて、話せるようにもなりたいという段階までを視野に入れるのであれば、聞く以外の要素も取り入れていく必要があります。

これが、発話することが必要、つまり、音読やシャドーイングがリスニングに効果があると言われる理由です。

これらは、ただ聞くだけではなく、英語の音声教材を使って、音を真似るトレーニングです。

発音が出来たら聞き取ることができるので、結果、リスニング力が向上するということにつながります。

 

少しでもご参考になれば幸いです。

ここまでお読みくださりありがとうございます😊

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