等価交換では奇跡は起きない

 

私が一番最初に取り組んだ英語やり直しの勉強法は、音読でした。

それは、書店でたまたま目にした「絶対音読」という教材に触発されたからです。当初音読にどんな効果があるのか確信は持てませんでしたが、とりあえずやることにしました。そもそも、英語自体が久しぶりすぎたので、どういう勉強法があるのかすらろくに分かっていなかったわけです。

 

ところが実際に音読をやってみると、結果としてリスニング力が上がり、英文読みは早くなり、暗唱も得意になるといいことづくめでした。実際、TOEICのスコアはスタート時570でしたが、3カ月、6カ月と受験回数を重ねるにつれ、スコアはうなぎ上りに上がっていきました。1年700超えまで達成したことを覚えています。実際、音読は英語勉強再開時から3年以上は続けました。

音読を継続できたのは、ほかに方法がなかった(知らなかった)というのも大きな要因でした。音読がいいと言われた私は、ある意味バカ正直にそれを受け入れ、素直に継続したわけです。今でこそ巷に問題集やネット情報が溢れかえっていますが、当時私はSNSもまだやっておらず、また、アマゾンなどのネットショッピングも今ほどやっていなかったため、もっぱら情報収集は本屋が中心でした。なので、勉強方法に関して選択肢が少なかった、いうのが正直なところです。

 

なので、勉強が進めば進むほど、スコアが上がれば上がるほど、「もっと効率のいい勉強法はないか」「もっと安く短時間でスコアが上がる方法はないか」と考えてしまうこともありました。

 

でもそれは違います。費用対効果ばかり意識してると、逆にいつまでも現状から踏み出せません。

英語学習に効率のよさはあってはならないのです。短時間で覚えたものや知識は、すぐに消えてなくなります。時間と労力をかけてこそ、自分の血肉となることは間違いありません。それを意識せず、「◎◎だけやれば!」「たったの◎時間で!」という広告が溢れているからこそ、英語学習=短期間で手軽にできるもの、と思い込んでしまいがちなのです。だから、労力がかかることをむしろおかしい、面倒くさいとすら思ってしまうのです。

 

覚悟決めましょう。英語を含む語学学習には、時間と労力が必要です。それもほんの少しではなく、かなり膨大な投資がいるわけです。逆にいえば、そうやってどっしりと腰を据えて取り組む覚悟ができれば、ちょっとしたことで焦ったり不安になったりすることはないのです。

 

時間と労力をかける手間を惜しまず勉強しましょう。

そうでなければ、私が音読をひたすらやった時のように、得られる副産物が何かも体感することはできません。等価交換では奇跡は起きません。