英語力が高い人は必ず〇〇をやっている

 

同時通訳者もやっていることとは?

 

「英語力を高めたい!」

と思う方は多いのですが、

「じゃあ具体的に何からやればいい?」

となったとき、まず浮かぶのはスピーキングやリスニングの勉強であることが多いです。

あなたは、いかがでしょうか?

 

でも、英語力を高めるためには、実は英語のリーディングは避けてとおれないと言われています。

なぜなら、高い英語力の背景には、必ず

「大量に英語を読んでいること」

があるからです。

 

「英語上達完全マップ―初級からTOEIC 900点レベルまでの効果的勉強」(ベレ出版)

の著者である森沢洋介氏は、本書の中で次のように述べています。

例えば、英語のプロ中のプロである同時通訳者は、その完璧なリスニング能力と見事なスピーキング能力ばかりが強調されますが、その裏で膨大な量の英語を日常的に読んでいるのです。

プロの同時通訳の中で、英字新聞が読みこなせない人や、生涯に英語の本を一冊も読んだことのない人など一人もいないでしょう。同時通訳のレベルまで至らなくても、ある程度高度なレベルの英語力を身につけるためには英語を大量に読まないわけにはいけません。

そもそも、母国語の日本語の駆使能力でさえ、読書量の多い人とそうでない人との間には差があるものです。そこそこの英語力で満足したくなければ、活字嫌いを返上してどんどん英語を読んでみましょう。

 

森沢さんのおっしゃることは、もっともです。

でも、

「英語の長文を見ると、気が遠くなってしまう…」

「TOEICのリーディングセクションでは、いつも時間が足りない…」

「英文をもっとスラスラ読めたらいいのに..」

こんなことを感じたことはありませんか?

 

私も以前は同じように感じていました。

「英語を読んでも頭に入ってこない」

という悩みを解決するには、当然リーディングの訓練が必要になってきます。

私自身も、リーディングが思うようにうまくできず、同じように悩んでいました。

 

でも、勉強法や使う教材を変えたことで、リーディングに対する苦痛が軽減し、TOEICや英検1級のリーディングの問題も、

「正解は絶対これ!」

と自信を持って臨めるようになりました。

今日は、そんなリーディングの勉強方法をお伝えします。

「英語のリーディングの勉強がつらい」

「どうやって勉強したらいいかわからない」

という方のお役に立てたらと思います(^^)

 

リーディング力は、多読と精読で鍛える

 

英語のリーディング力を上げるためには、多読と精読をバランス良く行なうことが大切です。

多読は、

・量をこなしてスピードを重視する勉強法

・1語1語ではなく全体を捉えていく

・自分の今のレベルより少し低いものを大量に読む

という特徴があります。

 

精読は

・読解の質を高めていく勉強法

・単語、文法、構文、意味、1つ1つに焦点を当てて理解する

・わからないところがなくなるまで分解し、分析する

というものです。

 

多読が「やさしい英文を多く読む」ことであるのに対し、

精読は「少し難しめの英文をじっくり読む」

という真逆の特徴があるということ。

 

バランスとしては、どちらか一方だけを実践するのではなく、

「多読8割・精読2割」

で進めると、リーディング力が上がりやすいと言われています。

 

多読の基本的なやり方

 

多読とは、やさしい英文を、辞書をひかずにたくさん読む学習法のことです。

実践するときは、次のことに気をつけてみてください。

 

1 完璧に理解しようとしない

 

6割以上わかればよしとして、スピーディーに読んでいきます。

英文解釈のように、正確に読み解く必要はありません。

ややこしい構文などはいったんおいておいて、大まかにストーリーや話の流れがつかめれば十分です。

わからない単語があったとしても、気にせずに読み進めます。

完璧主義になる必要はなく、わざわざ辞書を引いて調べたりしなくてOK。

話のキーになる単語以外は極力辞書を引かず、前後関係で推測するか、飛ばしてください。

(ここが私はなかなかできず、最初思うように進まなかったです)

なぜかというと、多読の目的の一つは、

「話の流れがつかむ」

「大意を理解する」

ことなので、それができたら目的達成です。

 

2 知っている話や、予備知識があるテーマを選ぶ

 

あらかじめ大筋を知っている話や、自分がある程度知っていることは、前提知識がある上で読み始めるので理解しやすいですよね。

結果、読むスピードはアップします。

難しい内容のものである必要はまったくなく、絵本のように、ページ数も文字も少ないものでも構いません。

有名な人物の伝記なども読みやすいと思います。

 

3 自分にとって興味の持てるものを読む

 

多読の素材には、面白く楽しく読めるものを選んでください。

飽きてしまったら、途中であってもやめてOK。

ちっとも読み進められないものをいつまでも抱えこむより、さくさく読めるものを月に数冊こなしていく方が、読書量そのものは増えます。

なので、多読では、やさしい英文をできるだけたくさん読むのがコツなのです。

「こんなレベル低いもの」

とバカにせず、自分にとって知らない単語がほとんどなく、辞書を引かなくても理解できるレベルのものから始めてみてください。

絵本など、薄くて文字が少ないものでも構いません。

興味のあるジャンルから選ぶことをおすすめします。

とにかく興味のある本を、楽しく、たくさん読むことが大切です。

多読では、このようにして多くの英文をインプットすることで、知らない単語が出てきた場合にも文脈から意味を推測する力がつきます。

 

多読で何から読めばいい?という方には、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。

英語の「洋書選び」で失敗しない3つのポイント

 

精読の基本的なやり方とおすすめ教材

 

精読では、文構造を分析したり、単語の意味を調べたりしながら、英文を徹底的に読み込んでいきます。

わからない箇所があってもあきらめずに、主語や動詞、目的語がどれなのかを読み解くように努めてください。

この過程で、リーディング力が培われていくからです。

でも、難しすぎる英文を選んでしまうと、時間や手間がかかりすぎて最後までやり通せず、挫折してしまうことがあるため、注意が必要です。

 

精読におすすめの教材を2つご紹介します。

 

「大学入試 肘井学の 読解のための英文法が面白いほどわかる本 必修編」(KADOKAWA))

精読のやり方から学びたい方におすすめです。

説明がとてもわかりやすく、英文読解において必要となる英文解釈の方法を学ぶことができます。

【Amazonの紹介ページ】

「どうしたら英文を読めるようになるか?」その疑問に答えるために、本書では『英文読解のための英文法』について、33のテーマを厳選しました。基礎から応用、そして発展レベルまで、英文の読解力を上げるための多くのしかけを用意してあります。

読解のための33の英文法のテーマを定着させるために、183の例題→137の確認問題→38の発展問題で、無理なく段階的に英文読解力が向上していきます。

 

【読者のレビュー】

導き方がとても上手いので、難しい問題もいつの間にか解けている。モチベーションも下がらずどんどん進んでいけます。

文法一通りやった人なら理解できると思います。発展問題は中々骨がありました。

 

もう1冊はこちら。

「基本文法から学ぶ 英語リーディング教本」(研究社)

「リーディング」とタイトルにあるように、英文を読めるようになるための教材です。

ですがそれだけではなく、この本は品詞とその働きを明確にすることで、

「英文の見えないルールがわかるようになる」

という、画期的な1冊です。

 

【Amazonの紹介ページ】

中学英語レベルのゼロの状態から始めて、難しい原書も確実に読めるようになる究極の1冊です。本書の指示にしたがって前から順番に学習すれば、どんな人でも英文を着実に読めるようになります。本書に集中して取り組んで、これまでなかなか達成できなかった「英語が読める」という快感を一緒に味わいませんか。

 

【読者のレビュー】

文法書の中でもトップレベルと考える。マスターすれば全ての英文が読み解けるようになる。義務教育ではくだらない英文を教科書とする前にこの文法書を学ばせるべき。

辞書を引くことが少ない現在の中高生は語の品詞を意識せず、感覚で英文を読んでいる子がほとんどです。この本は救世主となります。なぜこの和訳になるのか段階を踏まえることができるようにならなければ、速く読めても正確には読めなくなります。

 

そして、精読の基本的なやり方は次のとおりです。

 

1 自分なりに英文解釈をする

 

ある程度自分なりに文構造を分析して、英文の趣旨や意味を取ることをやって終わりです。

文章の量にもよりますが、何時間もかける必要はないので、短時間で自分なりに英文を解釈するようにしてみてください。

 

2 説明、解説の力を借りる

 

自分なりの読解で英文を理解したら、次に正確に英文を理解するステップに入ります。

このとき、ネットで調べたり、テキストの解説や和訳を使っていきます。

文の構造、各単語の意味、使われ方、英文の趣旨。

これらを完全に理解すること。

これが「精読」です。

知らない単語の意味を調べるのは、この段階がおすすめです。

英文の構造・意味が判然としない段階で辞書を引くと、各単語にさまざまな品詞、意味がありどれが適切な語義かさっぱりわからないことがあるからです。

適当な意味を選んで切り貼り細工していくと、多くの受験生が解答用紙上に披瀝してくれるあの前衛詩のような意味不明の日本文が出来上がります。

また、この時に単語リストを作成してボキャビルを行うと、使用されている単語を取りこぼし無く覚えることができます。

 

3 少し時間を空けて再読する

 

最後は、再読です。

これは、テキストの解説で理解した文を、少し時間をおいてから、同じように分析、解釈して読んでみる方法です。

そのとき読んで理解したと思っても、しばらく放置して後に読んでみると、

「あれ、これどうやって訳すんだっけ」

と、わからなくなってしまっていることがよくあるからです。

なぜなら、それは

「自力で読解したものではないから」

です。

解説を読んで英文を理解し、納得したとしても、そのまま放置してしまうと読めなくなってしまう可能性があります。

本当にその英文を理解したと確信するためには、自分が解説のように自力で解釈できるかを確認するようにしてください。

もしあやふやなところがでてきたとしても、また解説を読み直すことによって、意味や解釈を思い出すことができるので、大丈夫です。

再読を数回繰り返すことで、その英文を真に解釈できるということになります。

 

多読を使った具体的な勉強法

 

私が実践した多読の方法について、具体的に解説します。

楽しく読める英文素材を使って、ぜひ実践してみてくださいね。

 

1 スラッシュリーディング

 

多読で英文をすばやく読むには、文章を何度も行き来しながら読むのではなく、語順通りに意味を理解しながら読み進める必要があります。

日本人特有の「返り読み」の癖がついていると、いつまも英語を速く読めるようにならないからです。

 

返り読みを克服する方法については、次の記事で紹介しています。

英文を「何度も返り読み」してしまう…とお悩みの方へ

 

文頭から順番に英文の意味を理解するために、意味のかたまりごとにスラッシュ(/)を入れる

「スラッシュリーディング」

を行います。

スラッシュを入れた位置までを理解してから先に進むことで、英語を語順通りに読めるようになります。

慣れるまではスラッシュをどこに入れるべきか迷うかもしれませんが、特に大きな決まりはないので、自分が読みやすいところに入れてOKです。

私はこのスラッシュリーディングで、やさしい英文をたくさん文頭から読む習慣をつけて、英語を英語のまま理解して速く読めるようになっていきました。

 

2 知らない単語は文脈から推測する

 

多読では、知らない単語があっても、原則調べずに読み進めていきます。

気になる気持ちはわかりますが、意味がわからない単語や英語表現があっても、前後関係から意味を推測していきます。

推測しながら読み進めることで、単語の細かい意味がわからなくても、全体的なニュアンスをつかめるようになっていきます。

これが、英語を英語のまま理解できるようになるステップです。

多読に慣れないうちは、知らない単語をそのままにしておくことに抵抗を感じますし、正直モヤモヤします 笑

でもそれも含めて、リーディング力アップのための過程なのです。

文脈から推測し、頭のなかで内容をイメージしながら読み進めてみてください。

 

3 英英辞典を利用する

 

多読では、知らない単語も原則調べずに読み進めるのが基本のやり方ですが、

「何度も同じ単語が出てきて気になる!」

ということもあると思います。

その場合にはもちろん、読み終えてから意味を調べてもOKです。

できそうな方は、英英辞典を使ってみてください。

英英辞典はすべて英語で解説されているため、単語全体のニュアンスをとらえる練習になります。

ただし、単語を調べるのに時間をかけすぎてしまっては本末転倒なので、

「まだ自分には難しい」

と感じるようであれば、無理をして使わなくて大丈夫です(^^)

 

精読を使った具体的な勉強法

 

続いて、精読の勉強方法について解説します。

 

1 英文の構造分析と単語チェック

 

・英文を読みながら、わからない単語や意味が取れない文章をチェックしていく

・上記を終えたら、上記の単語の意味を調べていく

・意味がわからない文章については、その中でどのS(主語)、V(動詞)に当たる単語がどれなのかをチェックし、大まかな意味をつかむ

・関係代名詞や分詞構文など、修飾関係がわかりにくい場合は、後で調べられるようにチェックしておく

ここまでを終えたら、次の2のステップに進みます。

 

2 和訳や解説を利用する

 

「これ以上は自力で分析できない」

というところまで読み込んだら、和訳や解説を利用します。

ときに文法書も活用してください。

自分の英文解釈が正しかったか、内容把握ができたかどうかなどを確認していきます。

単語についても、意味を取り違えていないか確認してください。

理解度を完璧にするために、和訳だけではなく解説も隅々まで読み込むことが大切です。

解説には注意すべき点や、一緒に覚えておくと良い英語表現などが掲載されています。

 

まとめ

 

今回は、リーディングの勉強法についてお伝えしました。

リーディング力を上げていくには、

・やさしい英文をたくさん読む多読

・単語や英文構造を分析・解釈して読む精読

この両者が欠かせません。

多読によりたくさんの英文を読み続けるうち、英文を読むことへの抵抗感が減り、英文を読む感覚が培われていきます。

続けることで語彙力や読解力がついてくるのを実感できるようになっていきます。

また、精読を行うことで、正確な語彙や文法を身につき、英文の構造を正しく理解できるようになります。

 

いかがでしょうか?

多読と精読。

両者をバランスよく行なうことが大切だということが、おわかりいただけたかと思います。

ぜひ毛嫌いせず、英語のリーディング力を高めていきましょう!

 

 

少しでもご参考になれば幸いです。

ここまでお読みくださりありがとうございます😊

 

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