英語が早口に聞こえる理由は、〇〇のせいだった

 

英語のスピードは本当に速いの?

 

英語学習をしていてぶちあたることの一つは、

「速すぎる!聞き取れない!」

こと。

こういう方、多いと思います。

あなたはいかがでしょうか?

 

英語の話すスピードがあまりに速く、

「こんなのわかんないよー!」

と、半ばリスニングを諦めそうになりますよね。

私もそうでした。

確かに英語は速く聞こえます。

間違いないです。

 

でも、

「なぜ英語は速く聞こえるのか?」

「本当に速いの?」

「なぜネイティブは聞き取れるの?」

という疑問がわきます。

本当に英語はスピードが速い言語なのでしょうか?

 

実は英語は日本語よりも遅い

 

なんと、ある研究結果によると、英語のスピードは日本語よりも遅いそうです。

いきなりそんなこと言われても!ですよね。

ここだけ聞いて納得できる人は少ないと思います。

だって実際速く感じるわけですから。

なので、英語は本当に日本語よりも遅い、つまりゆっくり話される言語なのか。

そして、もしそうだとしたら、なぜ私たちには英語が早く聞こえてしまうのか?ということについてみていきたいと思います。

 

なぜ日本人にとって英語は早口に聞こえるのか?

 

言語のスピードを調べた調査のレポートが、英雑誌「TIME」で紹介されていました。

Slow Down! Why Some Languages Sound So Fast(TIME)

フランスのLyon大学が、日本語を含む7ヶ国語の言語のスピードを調べたところ、次のような結果になったそうです。

1 Japanese

2 Spanish

3 French

4 Italian

5 English

6 German

7 Mandarin

 

なんと日本語は1位なのです。

これをみると、日本語のスピードが英語より速いことは確かなようです。

 

言語のスピードを測る「シラブル」とは?

 

そもそもこの研究において、何を基準に言語のスピードを測っているのでしょうか。

この実験では、一定時間あたりのシラブル(syllable)の数で計測しています。

シラブルとは、日本語で言うと「音節」と表現されます。

「英語ネイティブが、英語を発音するときの最小単位である1拍の音」

もう少し簡単に言うと、

「一息で発音する音」

となります。

日本人が日本語を発音するとき、最小単位である1拍の音は、原則的に1文字です。

つまり「1ひらがな」になります。

たとえば「携帯」という単語であれば、「け・い・た・い」の4字なので、4拍で発音している。

といった感じです。

日本語の場合、基本的に子音と母音が1セットなので、ひらがな一つ一つを同じ長さで発音します。

でも、英語は必ずしも子音と母音が1対1でセットになっているわけではなく、母音なしで子音が続いたり、子音で終わることがあります。

 

たとえば「ストロベリー」という単語。

ストロベリー / ス・ト・ロ・ベ・リ・ー

日本語の場合、伸ばす音も1音節になるので、6音節になります。

でも英語の場合、

strawberry / straw・ber・ry

なんと3音節なのです。

このように、英語と日本語では大きく異なる音節。

1秒あたりの平均音節数を調べた結果、英語は6.19、日本語は7.84。

日本語は英語の1.27倍の速さということになります。

 

日本語と英語の間にある決定的な違い

 

先ほどの「strawberry」という単語。

日本語だと「ス・ト・ロ・ベ・リ・ー」と、6音節にわけて認識しています。

つまり、この単語を英語で見聞きしたとき、無意識のうちに「6つの音」と認識しているのです。

でも、英語ネイティブは「straw・ber・ry」と3音節で認識。

ここにズレがあることがわかります。

「その単語を”何拍”だと認識しているか」

つまり、

「日本人の考えるその単語の拍の数と、ネイティブが実際に発音しているその数が異なっている」

これが、日本人は英語をうまく聞き取れない理由の1つになっています。

 

カタカナ英語の弊害

 

これまでみてきたように、strawberryという単語は、英語だと、straw・ber・ryの3音節。

strawが1音節なので、aw部分に力を入れて一気に発音するのですが、stのところを「suto」と発音してしまうと、音節が崩れてカタカナ英語になってしまうということなのです。

本来は3音節のstrawberry(straw・ber・ry)に、日本語の6音節をあてはめようとすると、かなり不自然な発音になってしまうのです。

完全にカタカナ読みで「ストロベリー」と発音すると6音節。

なんと英語の3音節の2倍にもなっています。

音節数が2倍になったら、出てくる音はまったく別のものになってしまうのです。

 

なぜ日本人が、stのところを「suto」のように母音を追加したくなるかというと

・日本語の音が必ず母音で終わる「開音節」だから

・英語のスペルとローマ字を混同しやすいから

・英語の発音をカタカナ表記するから

といったことが原因としてあるようです。

 

カタカナ表記は百害あって一利なし?

 

英語のスペルは音と一致していないため、文字から実際の音が連想しにくいという難点があります。

なので、カタカナ表記を使って発音を覚えることを推奨している方もいらっしゃいます。

でもその一方で、英語の発音をカタカナで覚えるのは、かえって間違った発音を身につけてしまうこともあります。

ネイティブのような綺麗な発音を身につけるためには、発音記号を覚える、または耳から聞いて覚える方がいいと思います。

なぜなら、発音がよくわからない状態で、カタカナを頼りに英語を発音しようとすると、音節の数を間違えたり、不要な母音を入れてしまう可能性があるからです。

その結果、まったく別の単語のように聞こえてしまい、

「海外で買い物したとき、単純な英語なのに通じなかった」

といったことになってしまうのです。

この違いが、日本語と英語の発音の大きな違いです。

シラブルを理解することが、英語の発音やリスニング力に大きく影響してくるのです。

 

英語ネイティブの人たちは、幼少期からシラブルについて学びます。

親が子どもに単語を教えるときは、babyならba•byというように、ゆっくり区切って教えるそうです。

私たち日本人が、あいうえおを覚えていく過程と同じですね。

それだけシラブルというものが、英語を発話したり聞くときに大切なのです。

カタカナ英語が通じないのは、このシラブルが大きく関わっているということです。

 

なぜ日本人にとって英語は早口に聞こえるのか?

 

英語と日本語のスピードについては、データとしては、

「英語は日本語より遅い」

ということがわかりました。

では、なぜ私たち日本人が実際に英語を聞くと早いと感じてしまうのでしょうか?

それは、これまで述べてきたシラブルに原因があります。

英語を聞いている私たち日本人が、

「英語の音を、日本語のリズムに合わせて細かく区切っている」

ということが原因です。

 

先ほどの例を見ると、strawberry。

実際には3拍のこの単語を「ストロベリー」と6拍に区切って、音節を2倍にしています。

このように同じ時間内により多くの拍を聞こうとするので、早口に感じてしまうのです。

つまり、英語の音が早いのではなく、本来は(日本語より)遅いスピードの英語を、私たちが日本語のリズムで早く細かく区切っていることが原因になっているということ。

日本人は、音を早く細かく切るリズムに慣れ親しんでいるので、英語独特のゆったりとしたリズムに合わせることが困難になっているのです。

逆説的に思われるかもしれませんが、

「英語が早いからついていけない」

のではなく、

「英語が日本語より遅いからついていけない」

という言い方が正しいということになります。

 

速いと感じる英語を聞き取れるようになる方法

 

では、その英語の独特のリズムやシラブルを理解し、英語の音を聞き取れるようになるためには、具体的に何をすればいいのでしょうか?

それには、発音記号やフォニックスを学ぶことが一番の方法です。

どちらも発音に関するルールであるので一緒にされることがありますが、発音記号とフォニックスは異なります。

 

発音記号とは

 

発音記号とは、英語の発音を体系的に表記するための記号のことで「音声記号」とも呼ばれます。

辞書や単語帳を見ていただくとわかると思いますが、必ず // や [] という記号とともに示されています。

 

フォニックスとは

 

一方、フォニックスは英語の「音」と「スペル」を紐づける学習方法のことです。

英語圏の小学校で最初に学ぶこのフォニックスです。

発音記号の発音を覚えてからフォニックスに取りかかると、効果的に発音記号と単語の組み合わせパターンを覚えることできます。

 

発音を学ぶのにおすすめの教材

 

発音記号とフォニックスを学ぶのに、おすすめの教材たちをご紹介します。

 

「英語「発音記号」の鬼50」(明日香出版社 )

英語の発音記号に特化しており、初学者にもわかりやすい工夫がされています。

発音記号については、私自身、学校で習ったことは一度もありません 汗

著者の生徒さんの半分くらいは、発音記号を習ったことがないそうです。

今までの英語学習を振り返ると、単語については、アクセントの位置などは見てわかりますが、[ɑ][ʌ][ə]の違いなどはよくわかっていませんでした。

こういったことを体系的に理解できるようになる1冊です。

 

【Amazonの紹介ページ】

2022春より、NHKラジオ第2 『ニュースで学ぶ現代英語』講師を務める著者による、斬新な「英語発音」の指南書です。学校で教わらなかった人も多い発音記号。でも、これがわかると、楽譜を見てピアノを弾けるように、正しく発音できるようになります。

特徴(1)英語で出てくる発音記号をすべて網羅

特徴(2)発音の仕方を動画、写真、図を豊富に使い解説

特徴(3)発音記号を単語に置き換える訓練付き

特徴(4)米語と英語の違い

 

【読者のレビュー】

現在小学一年生の孫娘に英語を教えています。それで発音はなかなか理解するのが難しいようです。両親はじめ祖父母とも全員日本人ですので無理もないことです。教材の内容は、口の開け方まで写真入りで具体的に説明してありますので、本人にも分かりやすいようです。良い教材に入ると思います。

 

英語が苦手な私でもとてもわかりやすく、読んでいても苦になりませんでした。アプリと連動してみれるので「読む」というより、見合わせて活用するという感じ。音声と動画で確認できるのがとてもいいです!

 

続いてはこちらです。

 

「あいうえおフォニックス 英語の母音をひらがな5つで完全攻略!(KADOKAWA)

「あいうえおフォニックス 2 英語の[子音]編 日本人が苦手な発音を徹底攻略!」(KADOKAWA)

「あいうえおフォニックスの英会話 こんなとき英語でどう言うの?」(KADOKAWA)

 

これらは、おすすめのYouTubeチャンネルで紹介したクリエイターの著書です。

そのときの記事はこちら↓

大人のやり直し英語におすすめのYouTubeチャンネル

 

あいうえおフォニックスとして出版されている本は、3冊です(2024年現在)。

そのうち、フォニックスだけ学びたいということであれば、上の2冊でOKです。

こちらのシリーズでは、1冊目で英語の母音「あいうえお」を学び、2冊目で日本人が苦手とする「子音」が学べる作りになっています。

注意点としては、大まかなフォニックスは学べるものの、網羅しているわけではないということ。

とはいえ、フォニックスを網羅するの大変なので、まずはポイントを押さえたい!ということであれば、本書が適しています。

 

【Amazonの紹介ページ】

「フォニックス」とは、英語のつづりと発音をセットにして覚える学習法。英語圏の小学校で最初に学ぶこの学習法を、日本人に理解しやすく、ひらがなで覚えられるよう考案したのが、「あいうえおフォニックス」。YouTubeの「あいうえおフォニックス」は、2020年2月にチャンネル登録者数が13万人を突破し、ファン急増中。ロス在住のバイリンガル・キッズ、アリーとファジーのネイティブ発音を聴いてマネするだけで、「通じる」英語が身につけられるのが人気の秘密。TOEICやTOEFLの点数UPにも効果あり、と大評判。発音動画が見られるQRコード98個掲載。スマホで発音動画を見ながら、楽しく英会話力が身につきます!

 

【読者のレビュー】

「子ども向けの発音練習本でしょ?」なんて言ってナメてはいけません。そこそこ高度な内容も書かれています。だけど、説明がめちゃくちゃ分かりやすい。癒される、ためになる、モチベにつながる、気づいたときには英文を発音したくてうずうずする。日本国内の英語の発音練習本の中で最強の出来と言っても過言ではないと思います。

 

ダントツ人気の英語テキストだとの評価、納得できます。200頁前後あるのに、全てのページがフルカラー!可愛いイラスト!紙質も適度に厚みがあって、高級感もある。そして余裕をもったレイアウトで、とっても見やすくわかりやすい。

 

 

いかがでしたでしょうか?

「英語は本当は速くない」

という思い込みがなくなると、聞き取りもできるようになる気がしませんか?

 

 

少しでもご参考になれば幸いです。

ここまでお読みくださりありがとうございます😊

 

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