リスニング、最初は聞けるけど…の悩み

 

英語レッスンをしている方から質問いただきました。

「最初は聞き取れるけど、だんだんわからなくなるんです。」

リスニングについてです。

途中から英語のスピードについていけなくなって、話の筋がわからなくなってしまうということ。

わかります。私も、そうでした。

TOEICを始めたばかりの頃、リスニングなんて、いや、そもそも英語を聞くこと自体久しぶりすぎて、どうしていいかわかりませんでした。

特にPart3、4のような長い会話やナレーションになると、もう最後のほうは涙が出そうになりました。聞けなさすぎて…。

 

なぜ「だんだん聞けなくなる」のでしょうか?

最初の方は聞けるのは、なぜなのでしょうか?

これについて考えてみると、会話、もしくは発話の最初は挨拶で始まることが多いから、冒頭部分は聞けるということです。

テスト問題でも、日常会話でも、たいていの場合、Hello、Good morningなどの挨拶から始まり、名前を名乗ったりすることが多いですよね。

そこを聞き取れるのは、「最初に言うのは挨拶や、自分に関することだ!」と何となく予想して聞いているからです。

 

では、冒頭の一文の後を聞けるようにするにはどうすればいいでしょうか。

1. 起承転結があることを理解する

何かの教材を使ってリスニングをしようとするときは、その構成と起承転結の流れをざっくり知っておくことです。

たとえば、TOEICのPart4に〇〇賞の授賞式というシーンが登場します。司会者がしゃべっているシーン。

「みなさん、ようこそ(挨拶)」「今日は、〇〇賞を受賞した△△さんをお迎えしています(受賞者の紹介)。」「△△さんは、~~のような功績をあげ、××の発明に大きく貢献しました(その人の功績を説明)。」「△△さんは今後、××を使って海外進出を考えているそうです(その人の今後の展開を説明)。」「それでは、お迎えしましょう!(締めの一言)」

おおまかに、こんな流れとなっています。つまり、起承転結です。

挨拶→紹介→功績→今後

人の紹介パターンは、おおむねこの流れできます。

起承転結がどこにどうくるかをざっくり知っておくと、話の流れがつかみやすくなります。

ニュースなんかもそうだと思います。

起きている事象→原因・理由→講じている対策→今後の展開という流れが多いです。

 

2. 教材の日本語訳を事前に見ておくこと

日本語で内容を理解した上で同じ内容を英語で聞いてみると、驚くほど理解が進みます。

私はTOEICのリスニングがさっぱりできなかった頃、ひたすら日本語解説の和訳のところを読んで内容を理解し、それから英語を聞いていました。

意味がわからない文章、わからない単語は、何回聞いたところで聞き取れるようにはなりません。

和訳を先に読んでしまうことで、内容から先に知ってしまおう!という逆の発想です。

 

3. 流れる英文の一言一句を聞き取ろうとしないこと

私もそうだったのですが、ついリスニングとなると、「しっかり聞かなきゃ!」と意気込んで構えてしまいます。その結果、ちょっと聞き取れない部分があると、そこでフリーズ→その先についていけない〇×※…でした。

でも、そうではなくて。ちょっと考えてみてください。

日本語だって、全部聞き取っていないですよね?

私が行っている整体では、患者さんの帰り際に先生が「お大事にどうぞ」と言ってくれるんですが、どう聞いても「おどぞー!」と言っているんです。

最初は意味不明でしたが、状況から想像すると、「お大事にどうぞ」と言っているんだな、と推測できました。ほかにも「あざーす!」(ありがとうございました)なんかもそうじゃないでしょうか。

また、ありがとうございました!をあがりとうございました!と仮に言われたとしても、何て言ったか理解できますよね?

私たちは無意識のうちに、聞こえなかったところや聞けなかったところを補完したり、推測したりして聞いているんです。

英語でも同じです。単語ひとつもわからず歯が立たない!っていうのは別ですが、ある程度基礎的な単語や文法がわかっていれば、細かいところを聞き逃しても、話の大筋はわかります。

 

私は上記の1~3を意識してやることで、リスニングが飛躍的に向上しました。

内容が理解できていない文章をいくら聞き流しても、リスニング力は向上しません。

リスニングだからこそ、文字情報に頼っていい部分があるのです。